広島のお盆の風物詩
盆灯籠。
今回はこの風習がどのようにして生まれたかについて
お伝えします。
昔から広島県
特に西部の安芸地方では
安芸門徒と呼ばれる浄土真宗門徒が
多数派を占めていました。
一般に仏教では
お盆にご先祖の霊が帰って来られるので
お迎えする準備をします。
ところが浄土真宗では
死者の霊が帰ってくるという考えはありません。
人は死ぬと阿弥陀様のおられる
光溢れるお浄土に生まれ変わると考えるのだそうです。
お盆は燈明をあげ光に包まれたお浄土を想い
阿弥陀様のありがたい御心に感謝する時なのだそうです。
なので他の宗派のように
特別に盆棚や精霊棚を飾ることはありません。
お花と灯明をお供えしご先祖を偲ぶ時です。
お寺に伝わる伝聞によると
江戸時代の広島城下に娘を亡くした父親がありました。
石灯籠を立てて灯を供えてやりたいと考えましたが
貧しくてできません。
竹を削いで紙を貼り灯籠として供えて
気を休めました。
このことが現在の盆灯籠に繋がる由来だそうです。
江戸時代後期には広島城下に浸透していたそうです。
戦前は白色のものが多かったそうです。
戦後になると
初盆は白灯籠
それ以外は色灯籠
をお供えするようになり
1960年代の高度経済成長期以降は
宗派を問わない広島の風習になったそうです。
*参考文献
「仏事あれこれ小百科:門徒必携」
安芸教区基幹運動推進委員会
「浄土真宗必携」
浄土真宗本願寺派教学振興委員会