お彼岸の里山を彩るヒガンバナ。
田や畑の縁に沿って群生し
一斉に真っ赤な花を咲かせる景観はとても見事です。
ヒガンバナは見た目に美しいだけでなく
私たち人間の生活にとても大切な働きを
してくれているんです。
この美しい里山の風景が
地球温暖化によって失われるかもしれません。
中国大陸原産のヒガンバナ。
はるか昔
稲作と一緒に日本に伝わったと考えられています。
ニンニクの仲間のこの花
実は地下茎の部分(鱗茎)には毒があるんです。
これを田や畑の縁に沿って植えておくと
地に穴を開けて害を及ぼす
モグラやネズミの害を防ぐことができるんです。
ヒガンバナは種を作らず鱗茎によって増えるので
初めは必ず人間が植えなければなりません。
でも1つ植えると後は勝手に広がるので
田の畦道や畑の法面に植えると勝手に群生し
やがて見事な景観になるんです。
さらにヒガンバナの鱗茎は薬としても使われ
飢饉の時は水で毒をさらして除き食用として用いられ
人々の飢えを救ったそうです。
ご先祖様の知恵は素晴らしいですね。
里山を彩るヒガンバナの群生
ヒガンバナについての詳しい研究によれば
地面の温度が開花のタイミングに
密接に関係しているそうです。
夏場に高温が続くと開花が遅れるそうです。
さらに、冬の低温がなければ
花芽がつかなくなるそうです。
ヒガンバナの葉 冬が寒くならないとこのまま花が咲かなくなります。
最近の地球温暖化による暖冬や猛暑が
このまま進むと
ご先祖様の知恵で作り上げてきた
ヒガンバナが咲き誇る
美しい里山の景観が破壊され
農作物への被害も甚大になることが予想されます。
私たち一人ひとりができることを実行し
こんなことにならないようにしたいですね。